組織体制の検討方法【起業への道〜Step1】

本サイトでは、ビジネスシーンで役立つような資料作成術などを紹介してきましたが新シリーズがスタートしました。

「起業への道」と題して、連載形式で起業に関する記事を更新して参ります。

第1回は組織体制の検討方法です。

ぜひご参考にしてみてください。

起業をする際は、企業内の業務や権限などの仕組みを表すために、組織体制を検討する必要があります。

組織体制の検討が不十分だと、営業・販売・製造などの業務が上手く分けられず、組織内のコミュニケーションや責任の所在などに問題が生じるかもしれません。

起業時の組織体制の検討方法について、重要性や種類・特徴、検討するメリット・デメリットを交えて解説していきます。

組織体制の重要性

企業を経営していく上で、業務をひとつにまとめることはせず、いくつかの部門や事業部に分かれて行うのが一般的です。

例えば、案件を獲得する営業部、商品を製造する生産部、資材を管理する資材部などがあげられます。

組織体制が明確に決まっていないと、部門や事業部がどのように分かれているのか、どのように業務が流れていくのかを把握しにくくなってしまいます。

適切な部門、事業部を設計できていなければ、業務の効率が落ちることもあるでしょう。

組織体制は、部門・事業部といった部署の配置を適切に配置する、各部署の目標や責任、権限を明確にするために欠かせません。

起業・開業時には十分に検討し、部門間の調整や業務のフローなどがスムーズになるよう心がけましょう。

責任者に権限を持たせながら、機能に特化して事業を進められるので、上手く運用できれば、機能を強化しつつ、円滑に商品開発や営業などを動かせるでしょう。

ただ、ひとつの商品・サービスに対して、複数の責任者が配置されるため、権限争いになったり、権限が曖昧になったりするおそれがあります。

機能別組織、事業部別組織を組み合わせる分複雑な構造になるので、権限・責任の所在を明確にすることが大切です。

組織体制を検討するメリット・デメリット

開業時に組織体制をしっかり検討することによって、業務ごとの専門性を高めたり、プロジェクトを進めやすくなったりするなどメリットが多くあります。

一方で、検討方法や採用する組織体制を間違えると、かえって組織が混乱してしまうでしょう。

メリットとデメリットの両方を理解することが大切です。

組織体制のメリット

組織体制を検討・決定することによって、事業部や部門の業務内容や権限、責任などを明らかにすることができます。

採用する体制によっては、事業部ごとに意思決定権を持たせ業務のスピードを上げたり、部門ごとにノウハウを強化したりするなど、組織力の強化につながるでしょう。

適切な組織体制は、円滑なコミュニケーションも実現可能です。

事業部・部門間で連携することによって、業務の重複や伝達ミスを防ぎ、無駄のない事業を展開できるでしょう。

組織体制のデメリット

組織体制を検討するときに、機能や事業部に応じて、細分化しすぎてしまう場合があります。

細分化しすぎると、部門が多くなって組織が肥大化したり、部門間のつながりが希薄になったりして、コミュニケーションコストや管理コストが多くかかってしまいます。

意思決定のスピードが遅くなるので、課題やトレンドへの反応が遅れるでしょう。

不要に組織を細分化するのではなく、適切な事業部・部門を配置することが重要です。

組織体制の種類と特徴

組織体制にはいくつかの種類があり、企業によって採用している組織体制は様々です。

組織体制ごとに特徴があるので、特徴を理解して、組織に合ったものを取り入れる必要があります。

主な組織体制とその特徴をおさえていきましょう。

事業部制組織

組織体制の検討方法【起業への道〜Step1】①.

事業部制組織とは、取り扱う商品・サービスごとに事業部を設置し、それぞれに営業部や生産部、資材部などを配置する組織体制です。

事業部それぞれに責任・権限を持たせることができるので、トップの負担を減らしたり、事業部ごとに意思決定しスピードを高めたりすることが期待できます。

もしトップが変わったとしても、事業部に蓄積されたノウハウや実績を活かせるのも特徴です。

一方で、会社全体の利益よりも事業部ごとの業績を求める方向に進む傾向があります。

事業部に意思決定権を持たせつつも、トップが管理能力や部門間でコミュニケーションを円滑に行う体制が求められます。

機能別組織

組織体制の検討方法【起業への道〜Step1】②

機能別組織は、営業、生産、資材といった機能・職能ごとに組織を配置した体制です。

例えば、営業本部、生産本部、資材本部の3つに分けたとすると、営業本部の下には営業に関わる営業部、営業開発部、広告宣伝部などが配置されます。

機能に特化して組織を形成しているので、部門間で業務が重なることがなく、円滑に業務ができ、さらに業務の引き渡しもスムーズに行うことができます。

知識やノウハウを蓄積しやすい体制でもあり、組織強化にも効果を発揮するでしょう。

デメリットとして、他部門の業務が見えにくくなりやすいです。部門をまたいだアイディアやノウハウが生まれにくいので、意図的に交流やコミュニケーションを生み出す必要があります。

マトリクス組織

組織体制の検討方法【起業への道〜Step1】③

マトリクス組織とは、機能別組織と事業部別組織を組み合わせた組織体制です。

商品・サービスごとに機能別の責任者を配置し、事業を管理していきます。

ただ、ひとつの商品・サービスに対して、複数の責任者が配置されるため、権限争いになったり、権限が曖昧になったりするおそれがあります。

機能別組織、事業部別組織を組み合わせる分複雑な構造になるので、権限・責任の所在を明確にすることが大切です。

まとめ

組織体制は、事業部や部門の業務内容や権限・責任を明らかにするために重要な要素です。

機能別組織、事業部別組織、2つを組み合わせたマトリクス組織などの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

組織体制を十分に検討することで、意思決定のスピードアップやノウハウ強化などのメリットを得られるでしょう。

もし組織体制が複雑になってしまうと、かえってコミュニケーションや管理にコストがかかるので注意が必要です。

組織体制の重要性を理解して、自社に合った組織体制を検討・決定してみましょう。

[wpi_designer_button slide_id=445]

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています